若年層に多いトリコチロマニア(自己抜毛症)の原因と対策について解説します。
自分で自分の髪を抜いてしまうことにより、薄毛になる病気です。「トリコチロマニア」や、「自己抜毛症」と呼ばれています。
トリコとは「毛」、チロは「ひっぱる」、マニアは「一つのことに集中する」という意味です。毛の抜き方は個々により異なり、
などが確認されているようです。また毛を抜いていることを自覚している場合と、自覚していない場合があります。
主に小児に発症する精神疾患のひとつと分類されていますが、まれに成人にも見られることも。成人の場合は、読書をしているときや学習をしているときなどに、無意識に抜いてしまう方が多いようです。
思春期以前の抜毛症は、男女差なく発症しますが、思春期以降の抜毛症は、女子に多い傾向があります。男女差が生じてくる理由は不明です。仮説として、男子は思春期が過ぎても、自分を素直に表現しながら成長していく傾向にありますが、女子は自分の内面を隠しながら成長していく傾向があります。
こうした精神形成の差異が、抜毛症発症率の差異に影響があるのではないかと言われているそうです。
ストレスが原因です。小児の場合、ストレスの原因を自覚できず、また不満や不安を表現する方法も限られてしまいます。そのため、ストレスが過剰に溜まり、自分の毛を抜くという行為に走ってしまうと考えられています。
また傾向としては、内向的で、親に反抗することも少ない小児に多く見られるようです。いわゆる良い子なのですが、良い子であればあるほど、ストレスを表現せずに自分のうちに溜め込んでいる可能性があるということ。
子供の毛を抜く行為を確認した場合には、SOSサインと判断し、対応していきましょう。以下に具体的な治療・対策法を紹介します。
症状が著しい場合には、精神科または小児科の診療を受けます。ストレスの原因が何なのかを突き止め、家族や教師などを巻き込み、全体で子供の精神衛生を良好にしていく必要があります。
子供自身の努力で治る病気ではないので、大人が環境に気を付けて、ストレスケアをすることが大切と言えるでしょう。