薄毛の原因の中でもとても多い、円形脱毛症の症状や原因、対策方法などを解説します。
円形脱毛症とは、髪が部分的に脱毛する病気です。
「部分的」と言いましたが、症状が悪化した場合は脱毛範囲が拡大して、徐々に全体に影響してしまうこともあるようです。さらに症状が進行すると髪だけでなく、眉毛やまつ毛、そして全身の体毛までなくなってしまうことも。
一般的な少しずつ薄くなっていく薄毛とは違って、症状が現れた部分だけが明らかに抜け落ちるのが特徴です。ほとんどの場合、一目で円形脱毛症と分かります。
円形脱毛症は古今東西広く見られる上、歴史の長い病気です。日本では平安時代の書物で、すでに円形脱毛症が認められています。
ちなみに、当時円形脱毛症は「鬼が舐めた跡」と考えられていたようです。近代に入ってからも、いわゆる「10円ハゲ」と、昔からよくみられる病気として認識されています。
円形脱毛症は、男女を問わず発症します。若干ではありますが、女性のほうが発症率は高いと言われているようです。
また、年齢を問わず発症するのも特徴ですが、主に発症数が多いのは若年層。15歳以下の発症者の割合が、全年齢の25%程度。30歳以下に範囲を広げると、全体の80%以上を占めます。
なお、ストレスを感じにくい乳児の発症例もあり、これが、ストレス以外の理由による自己免疫不全説の根拠ともなっています。
円形脱毛症の原因には、2つの説が唱えられています。
1つ目はストレス。急激に激しいストレスがかかってしまった場合、円形脱毛症を発症させることがあります。とくに、ストレスに弱い子供がストレスを解消できないままでいると、円形脱毛症を発症するというケースが多いようです。
もう1つは、自己免疫不全説。自己免疫不全、つまり、細菌などが体内に入ったときに、これを攻撃するはずの免疫機能が、なんらかの原因で、自分の体を攻撃してしまうという現象です。
他の自己免疫不全の例として、アトピーがあります。アトピーと円形脱毛症を併発しているケースが多く見られることからも、円形脱毛症の自己免疫不全説は有力と言えるでしょう。
一般に、円形脱毛症は自然治癒します。毛根組織が死滅したわけではないので、原因を取り除くことができれば症状はなくなります。
重症の場合は、皮膚科でステロイドを処方してもらうことも。それでも改善しない場合は、患部に紫外線をあてるなどの治療が行われることもあるようです。
私たちができる日常的な対策は、とにかくストレスをため込まないこと。運動や趣味など、ストレスを解消できる時間を、週に1度は持てるようにしたいものです。